たかはし(高橋)耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック




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のど、唾液腺の病気

アデノイド(咽頭扁桃増殖症)

[ 代表的な症状 ]

鼻閉、口呼吸、食事摂取の困難(とくに幼児)、いびき、難聴、アデノイド顔貌 .

[ どんな病気 ]

アデノイド咽頭扁桃は鼻腔の奥にあり、口蓋垂(のどちんこ)の後上方にあります(図)。口内からは見ることはできません。このアデノイドが増殖肥大し、鼻症状(鼻閉)、耳症状が現れます。幼児期から小児期にみられる病気です。

[ どうして病気がおこるのか ]

アデノイドは 3 歳から 5 歳前後に最大となり、 10 歳頃に退縮し、思春期にはほぼなくなります。 3 歳から 5 歳前後に著しく肥大した場合や、感染によりアデノイドの増殖したときに症状がでます。

[ どんなあらわれかたをするか ]

鼻、のど、耳に症状があらわれます。鼻では、鼻閉、口呼吸がおきます。のどでは、食事摂取の困難、いびきの症状がでます。また耳では難聴がおこります。

[ 病気を治す ]

アデノイドは、自然に退縮する傾向にあり、いびきや症状がひどくなければうがいの励行や薬の内服を行って様子をみます。合併症や無呼吸がある場合はアデノイドの摘出術が必要です。

[ おこりやすい合併症 ]

中耳炎、副鼻腔炎、下気道の炎症性疾患(喉頭炎)、気管支炎 .

[ 症状がよく似ている病気 ]

鼻炎、副鼻腔炎、鼻腔異物症、後鼻孔閉鎖症、上咽頭腫瘍



扁桃肥大症(へんとうひだい)

 一般に扁桃と呼ばれているのは「口蓋扁桃」を指しています。口蓋垂(のどちんこ)の両側にあります。扁桃が肥大すると小児では呼吸(いびき)や飲み込み機能の障害がみられます。

[代表的な症状]

いびき、食事摂取困難、発育不全、睡眠時無呼吸症候群。

[どうして病気がおこるのか]

 口蓋扁桃は、年齢的には 5 歳から 7 歳に最も著しく肥大します。肥大が著しい時(図)や感染により肥大が増強した場合に症状があらわれます。

[どんなあらわれかたをするか]

 食事摂取が遅くなったり、いびきが現れます。時に睡眠時無呼吸症候群の原因となります。

[病気を治す]

口蓋扁桃の肥大は、 12 歳頃には自然に退縮する傾向にあり、周辺器官の合併症や睡眠時無呼吸症候群がなければうがいを行い、しばらく様子をみます。合併症や無呼吸がある場合は、 扁桃摘出術 が必要となります。

[病気に気づいたらどうする]

うがいをおこない、感染の予防に努めます。睡眠時無呼吸症候群などがあれば 扁桃摘出術 の適応となります。

[症状がよく似ている病気]

アデノイド と同じ。

 

急性扁桃炎(急性口蓋扁桃炎)

[代表的な病状]

高熱(小児ではしばしば悪寒を伴う)、のどの痛み、のどの灼熱感、全身倦怠感。

[どんな病気か]

扁桃に細菌、ウイルス感染がおこり発症します。幼・小児期によくみられる病気です。成人では 習慣性扁桃炎 としてみられます。

[どうして病気がおこるのか]

口腔内には健康人でも常在菌が存在して病原性細菌の進入を防御していますが、かぜなどにより免疫力が低下し、常在菌のバランスが崩れた場合は病原性細菌が感染しておこります。

[どんな現れ方をするのか]

通常、高熱と悪寒により発症し、全身倦怠感が強く、のどの灼熱感や痛みを訴え、唾液や物を飲み込むときに痛みが増強します。ときには耳への放散痛も出現します。両側の扁桃は発赤腫脹し、しばしば膿栓の付着をみます(図)。

[病気をなおす]

鎮痛解熱剤と抗生物質の投与が必要となります。通常、一週間以内で軽快します。繰り返す急性扁桃炎は 扁桃摘出術 が必要となります。

[病気に気づくとどうするか]

安静が第一です。やわらかい食事をとります。充分に水分を補給します。うがいを行います。

[症状がよく似ている病気]

猩紅熱、 口蓋扁桃肥大 扁桃周囲膿瘍

[おこりやすい合併症]: 急性中耳炎




習慣性扁桃炎
(反復性扁桃炎、習慣性アンギーナ)

[代表的な症状]

急性扁桃炎( 全身倦怠感が強く、のどの灼熱感や痛みを訴え、唾液や物を飲み込むときに痛みが増強します。発熱、悪寒を伴うこともあり)を繰り返す。慢性の扁桃炎があり、疲れ、かぜ等により体の抵抗力が低下したり、気候の変化、周辺疾患(副鼻腔炎など)によって急性扁桃炎を繰り返しおこします。通常、年に 2--3 回以上の急性増悪( 急牲扁桃炎 )がみられる扁桃炎です。

[病気をなおす]

急性増悪時には急性扁桃炎に準じた治療を行います。 手術適応 については年 4--5 回以上の急性症状の反復が目安で、日常生活に支障がある場合に手術が行われます。年齢的には多くは 5--8 歳で手術が行われましたが、最近は就職直後の成人や管理職の人など成人になって手術を受ける人の割合が高くなりつつあります。ストレスや仕事の疲れにより扁桃炎を繰り返すようです。

 

溶連菌感染症

(A群溶血性連鎖球菌による扁桃炎)


[どんな病気か]

A群β-溶血性連鎖球菌により扁桃、咽頭炎がひきおこされます。

特徴
1)冬季および春から初夏にかけてよくみられます。
2)感染力が強い。周囲の人(家族、職場仲間)に感染を引きおこしやすい。
3)症状が長引き、重症化しやすい。
4)のど以外に、中耳炎も併発する事もあります。また、菌の直接の作用でなく、免疫学的機序を介して、急性糸球体腎炎、リウマチ熱などを起こすことが知られています (病巣感染症)

[どんな現れ方をするか]

突然の発熱と全身倦怠感、強い「のど」の痛みが続きます。のどや扁桃が赤くなりはれます。軟口蓋の点状出血あるいは苺舌がみられることがあります。
時に関節痛や頭痛や腹痛あるいは皮膚に粟粒大の赤い発疹が現れます。

[病気の診断]

外来で扁桃、咽頭から綿棒でぬぐい液を取り、迅速診断が可能です。結果は10分程度で判定できます。

[病気を治す]

溶連菌に感受性のある抗生物質を7日から10日間投与し、うがいを励行し、マスクを着用します。感染力が強いため、休校するなどして休みを取りましょう。抗生剤をしっかり内服すれば、2-3日すると熱はひいて、のどの痛みが軽快しますので、登校(園)や職場復帰してもかまいません。ただし、治ったからといって抗生剤を勝手に止めてはいけません。
病巣感染により皮膚や腎臓の炎症が増悪する場合は、各専門医の診察を受けましょう。

 

病巣扁桃(病巣感染症)

[どんな病気か]

扁桃の感染が病巣となり、扁桃から遠く離れた臓器器官に炎症を引きおこします。代表的な臓器として、皮膚、関節、心臓や腎臓などに病気をひきおこします。

[どうして病気がおこるか]

扁桃に細菌感染が繰り返しおこり、扁桃に免疫変性物がつくられ、これにより、遠隔組織である皮膚・関節・心・腎にアレルギー反応や炎症が引きおこされると考えられていますが、病因が不明の点が多い病気です。

[どんな現れ方をするか]

遠隔臓器におこる二次的な疾患により気づくことが多く、皮膚では掌蹴膿庖症、尋常性乾癬で、循環器内科では心内膜炎で、腎臓内科では IgA 腎症と診断され専門医から耳鼻咽喉科医に紹介され、病巣感染症か否かの検査で診断されます。

[病気を治す]

溶血性連鎖球菌に感受性のある抗生物質を投与し、うがいを励行します。遠隔器官(皮膚や腎臓)の炎症が増悪する場合は、 扁桃摘出術 が行われます。


扁桃周囲膿瘍

[代表的な症状]

高熱、激しい咽頭痛、嚥下痛、開口障害がみられます。

[どんな病気か]

扁桃炎の炎症が扁桃の周囲に波及し、 2--3 日以内に膿瘍を形成します。症状は、急性扁桃炎よりも激しく、開口障書(口が充分に開かない)を伴うことが特徴的です。

[どうして病気がおこるか]

扁桃は、周囲とは薄い被膜で分けられており、扁桃炎の炎症が強いときに周囲組織へと波及するためにおこります。

[どんな現れ方をするか]

扁桃炎後 2--3 日して開口障害と激しい咽頭(のど)痛を伴い、飲み込み障害(嚥下障害)が出現します。全身倦怠感が強く、頸部リンパ節腫脹を伴います。

[病気を治す]

のどの腫れている部位を吸引するか切開し膿を出す必要があります。入院の上、抗生物質の点滴投与を必要とします。また、繰り返す扁桃周囲膿瘍は 扁桃摘出術 の適応となります。

[症状がよく似ている病気]

急性扁桃炎 、扁桃腫瘍。

[病気を治す]

治療は緊急に行う必要があります。効果的な抗生剤の投与と水分補給(点滴)が必要です。多くの場合は、膿瘍を切開し排膿します。

[おこりやすい合併症]

喉頭浮腫による呼吸困難、頸部リンパ節炎、頸部膿瘍。


いびき

 いびきは睡眠中におこる異常呼吸音で、騒音障害を引きおこします。本人は気づかない事が多く、悩み深い症状です。とくに若い女性の場合は思い悩む人も多いようです。

 健常人でも睡眠時は筋緊張がゆるみ、上気道は狭くなります。飲酒後や高齢化により筋のゆるみはさらに増強され、いびきは大きくなります。また、仰向けに寝た場合、重力の影響で軟口蓋や舌根が沈んで上気道は狭くなります。

 いびき症状は社会的な側面で同室している他者への迷惑が生じ、ひいては本人の生活に支障が生じます。 一方、いびきの病的な側面として、 睡眠時無呼吸症候群 の部分症状として考える必要があり、積極的に診断、治療を行う機会が増えてきました。

睡眠時無呼吸症候群

[代表的な症状]

睡眠時の無呼吸、 いびき 、目中の傾眠傾向と集中力の低下。

[考えられる原因]

気道(空気の通り道)や呼吸中枢神経系に何らかの異常があります。原因としては、閉塞牲(気道)と非閉塞性呼吸障害(中枢性)に分けられますが、実際は両者の混合型も多くみられます。

閉塞性呼吸障害 は気道のいろいろな部位の狭窄が原因で発症します。このうち、とくに軟口蓋(のどちんこ周囲)の形態異常、 アデノイド口蓋扁桃肥大 が重要です。また、 肥満 は発症原因になります。肥満者にはいびきの常習者が多く、睡眠時無呼吸症候群の出現頻度も高くなります。小児は成人に比べ気道が狭く、呼吸障障害を起こしやすいので注意が必要です。

[どんな現れ方をするか]

睡眠時のいびきと無呼吸があり、多くは家族の方が気づきます。通常、無呼吸は 10 秒以上の呼吸停止が 5 回 / 時間以上、または 7 時間の睡眠中 30 回以上おこると危険です。日中に傾眠傾向や集中力の低下がみられます。また、乳幼児では睡眠時の胸郭の陥没呼吸がみられます。

[病気を治す]

閉塞性呼吸障害では、原因となる疾患を治療します。 肥満者 は食事制限をして減量を考えます。

気道狭窄 がある場合は、手術が行われます。軟口蓋咽頭形成術と扁桃摘出術を行います。 アデノイド増殖症 に対してはアデノイド切除手術が行われます。

[おこりやすい合併症]

日中の知的活動の低下が問題です。小児では鳩胸や漏斗胸、成人では心不全に注意が必要。

 

扁桃摘出術の適応

次のような病気や症状の場合は、扁桃摘出術が勧められます。

1)繰り返す扁桃炎( 習慣性扁桃炎

2) 扁桃肥大 による上気道閉鎖症状が強い場合(いびき、睡眠時無呼吸症候群)

3) 扁桃周囲膿瘍

4) 病巣扁桃

5)扁桃炎による菌血症を合併した場合

6)扁桃腫瘍が疑われた場合

備考:扁桃摘出を行っても、一般には扁桃機能の欠落症状はみられず、病的症状が著しく改善されます。しかしながら、ある種の抗体の一時的な低下がおこるともいわれているので、現在では不必要な扁桃摘出術は行われません。(高橋光明)

 

胃食道逆流症と咽喉頭(のど)の異常感症

 胃食道逆流症(胃酸逆流症)は食道内に胃酸の逆流によって引き起こされる病態で、 逆流性食道炎 が代表的な病気である。高齢者において多くみられる特徴を持っています。この病気はときに食道の上部に位置する 咽喉頭(のど)に多様な症状 を引きおこします。胃酸逆流症の特徴を以下にまとめてみました。

•  酸の逆流は「ゲップ」や「胸焼け」などの食道症状に加えて口に酸っぱい味が広がる症状や咽喉頭(のど)や下気道(肺)にも様々な症状を引き起こします。

•  最近、この胃酸食道逆流症、いわゆる逆流性食道炎と咽喉頭(のど)疾患の関連が話題になってきています。

  胃酸食道逆流症の 咽喉頭(のど)の症状は異常感、灼熱感、声がれ、慢性の咳(せき) などの症状が引きおこされる人がいます。

•  酸逆流によってひき起こされるこれらの病態に対して、胃に作用するある種の薬剤(プロトンポンプインヒビター:薬剤(タケプロン、パリエットなど)がよく効きます。また、食後すぐに横にならない。油濃いものは食べない事も重要です。

診断

本当に胃酸逆流を証明するには食道内の酸の濃度を測定する必要がありますが、これは実際行うのが難い検査です。従って、胃酸逆流症を診断するためには、1)症状、2)薬剤投与、3)食道内視鏡所見をあわせて、いわゆる逆流性食道炎として診断されています。咽喉頭(のど)は細いカメラを用いて診断します。特徴的な所見がある場合は診断が容易です。

 

「唾液腺のはたらき、病気、症状、治療」

1 . 唾液腺って何?どんなはたらきをしてるの?

 唾液腺には 3 つの大唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)と多数の小唾液腺(口腔粘膜)があります。唾液腺は唾液を分泌します。唾液のはたらきは口腔粘膜の湿潤化により嚥下、構音時の潤滑油として作用するほかに口腔の清浄作用、食塊の形成、消化作用、抗菌作用などがあります。唾液腺により、唾液の性状が異なります。耳下腺は純漿液腺、顎下腺は混合腺(漿液>粘液)、舌下腺は混合腺(漿液<粘液)です。一日で約 500-1000ml の唾液が出ます。

 唾液がなくなると、食べ物が口の中で上手くこなれず、飲み込むことが出来ません。また、会話がスムーズに出来なかったり、虫歯が多くなったりします。

2. どこにあるの?

(顔写真・矢印)

3. 唾液はどこから?

大唾液腺は口腔内に開口する管を持ち、唾液は管を通じて口に流出します(顔写真・矢印)。ガーゼなどで拭いた後その腺を軽くマッサージすると唾液がでてくるのが観察されます。小唾液腺は口腔内の粘膜に広く分布し、口唇、口蓋、舌の裏側などに見られ、唾液の出口が粘膜に開いています。



4. どんな病気があるの?:

大きく分けて、 (A) 炎症性・ (B) アレルギー性・ (C) 腫瘍性疾患があります。

(A)  炎症:ウイルス性(おたふくかぜ、※ 1 )、細菌性(耳下腺に多い)の炎症があり、他に唾石により強い炎症がおこることがあります。症状は唾液腺がはれたり、痛みなどがあります。

このうち化膿性耳下腺炎の多くは高齢者、免疫機能が低下したひとがかかります。特に口内の衛生状態の悪い人に多くみられます。義歯の清掃、口内の清拭、うがいの励行に努め口内を清潔に保つ事が重要です。



写真:おたふくかぜ

右耳下腺が腫脹し痛み、熱感があります。

 

唾石

唾石の9割以上は顎下腺にみられます。石の大きさは小粒状から小指頭大までで、形は様々です。片側性にみられる事が多い。典型的な症状は、食事時の一過性の顎下部の痛みと腫脹があります。


写真では、唾石が見られます。

(B)  腫瘍性疾患

唾液腺の腫瘍

唾液腺腫瘍は良性腫瘍が多く見られますが耳下腺は 3 割、顎下腺は 5 割、舌下腺と小唾液腺は 5 割以上に悪性腫瘍がみられます。小児で柔らかい腫瘤をふれる場合は血管腫やリンパ管腫を疑われます。痛みのある腫瘤は悪性を疑います。




*** 果物アレルギー ***

最近の果物アレルギーの方が増加しています。白樺の抗原とある種の果物の抗原とに共通点があることが知られています。ですから白樺花粉症の患者さんに果物アレルギー反応を起こす人が多くみられます。

 果物アレルギーは果物を食べると、数分後から、果物が触れたくちびるや口の中や、のどの奥がかゆくなったり腫れたりします。これを「口腔アレルギー症候群」と私達は呼んでいます。口以外の症状として、耳周囲のかゆみ、耳の異常感を伴う人もいます。また、じんましんが出たり、気管支喘息様の発作を起こしたりします。稀ですが吐き気、腹痛や下痢の消化器症状を引き起こすこともあります。「口腔アレルギー症候群」の患者さんは「果物が大好きなのですが食べるのが恐ろしい」と訴える方も多くいますし、子供の場合は偏食として見過ごしている場合もあり注意が必要です。

治療は原因になっている果実を避けること。加熱した果実なら食べられる方もいます。抗アレルギー剤が有効なこともあります。じんましんがでたり、気管支喘息様の発作を起こした場合はステロイド剤を使用します。

 

代表的な過敏症を起こす果物・野菜の一覧(白樺花粉症の方に多く見られる)

バラ科:リンゴ、サクランボ、ナシ、スモモ、イチゴなど

ウリ科:メロン、スイカ、カボチャ、キュウリなど

セリ科:セロリ、パセリ、ニンジンなど

ナス科:ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモなど

 
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